日本国有鉄道、通称国鉄が解体、民営化されて早35年が経ちました。
鉄道車両の一般的な寿命は、新幹線だと15年~20年、在来線車両だと30年~40年ほどだといわれています。
かつては日本全国で活躍していた国鉄型車両ですが、新型車両の導入に伴い、年々数を減らしています。
そこで、東北地方で国鉄型車両が現在でも活躍している路線と車両を紹介します。
205系(仙石線)定期列車
あおば通駅と石巻駅を結んでいる仙石線では、205系が活躍しています。
205系は、かつては山手線を中心に首都圏の路線で幅広く活躍していた車両です。
この仙石線には、103系の置き換えを目的に2002年に首都圏から改造を受けて導入されました。
仙石線は、東北のJR路線では唯一の直流電源の路線です。
そのため、この路線には代々首都圏で活躍していた中古車両が投入されています。
仙石線は、国鉄型車両が定期運用で活躍してい東北唯一の路線は仙石線です。
ここには、4両編成(M1 – M6、M8、M10 – M19編成)17本が配置されています。
仙石線には基本的に、山手線と埼京線で活躍していた車両を改造した車両が転用されています。
しかし、M19編成だけは、2009年に多賀城駅高架化で復帰していた103系を置き換えるために、南武線からの転属された編成です。
また、M7編成とM9編成は東日本大震災の津波で被災して廃車になりました。
M3編成は2wayシート設置編成で、区別がつきやすいカラフルな塗装が施されています。
また、M2編成とM8編成は「マンガッタンライナー」といい、石巻市にゆかりのある石ノ森章太郎氏のさまざまなマンガのキャラクターが描かれています。
特に、M2編成は2003年から20年近く活躍していて、先日、HB-E210系のマンガッタンライナーが運行を開始しています。
そのため、今後の活躍は長くないと推測できます。
現に、2021年9月にJR東日本の労働組合は、「2022年~2024年にかけてE131系を新製投入して205系を置き換える予定」と発表しています。
ただ、2020年にはE233系で置き換えるとされていたことや、JR東日本としての発表はないため、公式発表を待ちたいですね。
(私個人の意見としては、特に宮城野原駅は楽天イーグルスの観戦客で入場制限がかかるほど混雑するので、3ドアの車両だと乗り降りに時間を要してしまい遅延する気がするのですが…)
キハ48 臨時列車
キハ40・48は以下の記事で解説していますので、良ければご覧ください。 https://tetsudouduke.com/information/5/
リゾートしらかみ くまげら編成
リゾートしらかみ くまげら編成は、2006年に運行を開始した観光列車で、五能線で活躍しています。
中間車2両のうち1両は、現在クルージングトレインとして活躍している、初代青池編成の中間車(キハ48 1521)が組み込まれています。
1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 |
キハ48 703 | キハ48 1521 | キハ48 1503 | キハ48 704 |
1978年製 | 1979年製 | 1979年製 | 1978年製 |
JR東日本公式によると、運転再開には時間を要する見通しだと発表しています。
リゾートしらかみは青森と鯵ヶ沢間を往復運転していて、その運用には青池編成が充てられています。
クルージングトレイン
クルージングトレインは、1997年から運行されている観光列車で、秋田県と青森県を中心に活躍しています。
この列車は、初代リゾートしらかみとして2010年まで活躍していました。
それ以降は第一線を退き、リゾートしらかみの補完的な役割を果たしています。
1号車 | 2号車 |
キハ48 540 | キハ48 533 |
1980年製 | 1980年製 |
2022年8月の大雨の影響で、五能線が甚大の被害を受けました。
JR東日本公式によると、運転再開には時間を要する見通しだと発表しています。
リゾートしらかみは青森と鯵ヶ沢間を往復運転していて、その運用には青池編成が充てられています
ビューコースター風っこ
ビューコースター風っこは、2000年から使用されている観光列車です。
JR東日本では唯一のトロッコ列車で、現在も幅広く活躍しています。
1号車 | 2号車 |
キハ48 547 | キハ48 1541 |
1980年製 | 1980年製 |
この車両も置き換えの計画は発表されていません。
キハ141系(釜石線)臨時列車
キハ141は、2014年からSL銀河として花巻釜石間で運行しています。
宮沢賢治の作品「銀河鉄道の夜」の世界観を再現した観光列車で、異世界を走る雰囲気を味わうことができます。
SL銀河は、C58-239のみでは釜石線の急勾配を登ることができないため、SL+気動車という形で協調運転をしています。
キハ141は、もともと50系客車を改造した気動車で、車体はかなりデコボコな状態になっています。
1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 |
キハ142 701 | キサハ144 702 | キサハ144 701 | キハ143 701 |
1981年製 | 1981年製 | 1978年製 | 1978年製 |
SL銀河は、2023年の春のダイヤ改正で運行を終了すると発表されています。
キハ141の老朽化が運行終了の理由であるため、JR東日本のキハ141は2023年に引退することが決まっています。
12系客車(磐越西線)臨時列車
SLばんえつ物語は、1999年から磐越西線で運行されている観光列車です。
SLばんえつ物語の客車には、大幅に改造された12系客車が使用されています。
1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 7号車 |
スハフ12 101 | オハ12 313 | オハ12 314 | オハ12 1701 | オハ12 316 | オハ12 315 | スハフ12 102 |
1977年~1978年製 | 1977年~1978年製 | 1977年~1978年製 | 1977年~1978年製 | 1977年~1978年製 | 1977年~1978年製 | 1977年~1978年製 |
この列車も、置き換えの計画は発表されていません。
しかし、JR東日本は2024年度までに機関車を全部廃止にする計画が発表されています。
そのため、2023年内に何かしらのアナウンスがあるかもしれません。
2022年8月の大雨の影響で、磐越西線は甚大の被害を受けました。
JR東日本公式によると、運転再開には時間を要する見通しだと発表しています。
そのため、現在ばんえつ物語号は運転を取りやめています。
まとめ
以上、東北地区で活躍している現役の国鉄型車両、今回は電車と気動車、そして客車をご紹介しました。
ここ数年で、東北地区の国鉄型車両は大部分が置き換えられ、残るは仙石線と臨時の観光列車のみとなりました。
あと数年で、東北地区から国鉄型車両は姿を消してしまうことが考えられます。
乗車できない列車もありますが、記録はお早めに