2022年の2月22日にJR東日本から、
「国土交通省による『(仮称)高屋トンネル』の施工に伴う陸羽西線全線の運転取りやめとバスによる代行輸送のお知らせ」
の発表がありました。
今回はこのお知らせについて詳しく解説していこうと思います。
工事の概要と陸羽西線の運休
工事の概要
現在、国土交通省は一般国道47号線の高屋道路の工事を行っています。
新庄酒田道路の一部を構成する高屋道路(延長3.4km)については、現在、「(仮)高屋トンネル」の工事を進めているところです。
高屋道路は、2024年度の開通を目標としています。
この「(仮)高屋トンネル」は、陸羽西線「第2高屋トンネル」の下方(酒田側)で交差する形となっています。
(仮)高屋トンネルは、陸羽西線第2高屋トンネルのわずか3m下を通るため、安全で慎重な掘削が求められています。
そこで、学識者等で構成された「施工技術検討委員会」において、対策内容や施工方法等について検討されてきました。
初めは、列車の運行を止めずに工事を行う予定でした。
ただ、安全対策に技術的な課題が多いという指摘があり、トンネル掘削期間の安全性と効率を最優先するべきだとされました。
そのため、列車を運休して代行バスを運転することになりました。
陸羽西線の運休期間(代行バスの期間)
2022 年 5 月 14 日(土)~ 2024 年度中(予定)
2024年度中に運転再開する予定とされているため、期間は短くて2年弱、長くて3年かからないくらいだと思われます。
なお、
運転を取りやめる列車
陸羽西線を運転する以下の列車の運転を中止します。
- 新庄駅~余目駅間を運転する列車
- 新庄駅~(余目駅)~酒田駅間を運転する列車
陸羽西線には、羽越本線を直通して酒田駅を発着する列車が上下ともに5本ずつ設置されています。
しかし、陸羽西線直通の列車は運休、羽越本線自体は通常運行の予定だそうです。
要するに、陸羽西線を通るすべての列車が運休になるということです。
なぜ陸羽西線の全線運休を選択したのか
陸羽西線の全面運休を選択した理由は、国土交通省とJR東日本から
- 安全対策に技術的な課題が多い
- トンネル掘削期間の安全性と効率を最優先するべきだ
と示されています。
ただ、2年間の運休は地方路線だからできるもので、首都圏の路線ではできません。
そのため、利用者(利益)と安全性・効率を天秤にかけたときに、安全性・効率が重かったということだと考えられえます。
さらに、JR東日本にとっては利用者が少ない路線をバス転換にした時の試験も兼ねていると考えられます。
実際に、陸羽西線の平均通過人数は2020年度は163人と非常に利用者が少ない路線です。
また、陸羽西線は最上川に沿って走る路線であるため、洪水などの災害が発生する可能性があります。
JR東日本にとっては廃線にしたいという思惑があるのかもしれません。
ただ、2年後に運転再開することなく廃線、ということにならないと思います。
しかし、存廃の議論の必要性が浮上してくる可能性はありうるでしょう。
まとめ
陸羽西線は、2020年5月14日(土)から2024年度まで全線運休します。
その間は、バスによる代行運転が行われますので、そちらを利用してください。
JR東日本からは代行バスのダイヤや、運転再開について随時発表する予定であるので待ちましょう。
今後のJR東日本の対応を注視していく必要がありそうです。
そして、陸羽西線が全線運転再開した時は、必ず乗りに行きましょう。
参考…https://www.jreast.co.jp/ass/2021/sendai/20220222_s01.pdf
https://www.thr.mlit.go.jp/Bumon/kisya/kisyah/images/89707_1.pdf